BLOG 大将ブログ

あなご

2023年2月8日(水)テーマ:新富の思い入れ

今日は、とてもとても大事にしている
前置きをお休みして
さっそく
本題に入っていきたいと思います。

本日は新富の【あなご】についてです。

実は、
詳しくご紹介できていなかったので
何回かに分けてご紹介していきたいと
思います。

今日のトピックは、
あなごです。

新富のあなごは、
どこに気を使って
どういうプロセスで
つくられているのか

いろいろと工程はあるのですが、
そんな中でも【煮汁】は最重要工程です。

ただ、確かに重要ですが、
どこがどう重要なの?
というところですよね。

今日は、その重要という部分を
掘り下げてご紹介したいと思います。

最後までおつき合い
よろしくお願いします。

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■煮汁をつくるための仕込み


当店は、煮あなごで提供しています。

当然煮汁をつくっていく訳ですが、
新富のあなごの煮汁に欠かせない
仕込みが3工程あります。

▷仕込み
▷焼き
▷煮詰める

今日はそのうちの一つ、
【仕込み】を
ご紹介をしていきたいと思います。

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一番最初の工程、仕込みです。
一番手間がかかって一番目立たないけど
ここが丁寧にできていないと・・・
という部分です。

この仕込みで
とても大事にしているところ
ここが一番ポイントになるところ
それが

【血抜き】です。

この血抜きが、
しっかりできていないと
そもそもダシの素なので、
すべてが台無しです。

血抜きの動画はコチラから

動画の骨は、一匹分を
半分にしたものです。

表面は、
水洗いすれば綺麗に見えますが、
専用工具を使って処理をすると
あれだけの量が内部に残っています。

うちでは、白身等で
熟成をつくるんですが、
この熟成をつくる過程で
大事になる工程も血抜きです。


あなごに限らず
熟成に限らず
通常の仕込みの中に
大事な工程として
必ず行っています。

おっと、、、
話を戻します。

あなごの骨1本づつ丁寧に
血抜きをしていきます。

見た目には、キレイに見える骨でも
実は、隅々まで血液がしっかり
行き届いています(the健康)

ぱっと見の骨からは、
洗い流せば血は取れるじゃん!
程度ですが、実は実はそうでもないんです。

これは、あなごに限らずどの魚でも
同じなので専用器具を使って
効率的にしっかり取っていかないと
いけません。

※画像は、シャープペンの芯です。

シャープペンの芯の先に見える穴は、
あなごの神経が通っている部分です。
芯2~3本分くらいでしょうか。

ここに入っている神経も血抜き同様
除去しなければなりません。

しかしながら
これくらい!と思う方がいるかも
しれませんね。


あなご1本のサイズは、
500g~700gの間で
仕入しています。
たまに1kgオーバーもの入りますが。

デカいっす!

例えば700gのあなごを使用した時、
骨が約10%前後だとしましょう。


骨の中に固まって入っている血量を
量ったことありませんが、
多分3mg未満程度に仮定。

この数mgをどう見るかというところです。

魚の嫌がられるドラフト1位候補は
やはり血生臭いところでしょう。

煮あなごをつくる時は、
10本以上でつくりあげます。

ということは、
骨の中に残っている血液量が
1本2mg程度と仮定すると
単純計算でも20mg超がダシの中に
入ることになります。

結構な量です。

5~6年前熟成に出会いました。
それから専用ノズルを調達し、
頭や骨も丁寧に血抜きしてきました。

ここが美味しい煮汁をつくる上で
1番大事なところだと思います。

あなごの煮汁をつくる工程で
とても大切にしていること

血抜きです。
必要なのは、骨と頭のスペックで
それ以外の余計なもの

血液と神経は、
できる限り除去すること。

これをすることによって
美味しい要素をさらに
プラスできると思います。

骨の隅々まで血液がいっているなんて
当時は考えもしませんでしたし、
そもそも知りませんでした。

これは、あなごに限らず
どの魚でも一緒だと思います。

専用工具を使って
効率よく丁寧に取り除くことが
できています。

いろいろなやり方があると
思います。それぞれの環境や
好みによってやり方は千差万別です。

修業時代の経験値を下地にアップデートし、
今は、修業時代とは全く真逆の工程で
仕込みをしています。

それは決して修業時代や先輩方が
積み上げてきた技術を
否定するものではなく

受け継いできた技術があるからこそ
現代の技術に取り入れられる訳です。

柔道でいうところの
合わせ技1本です!

いろんなお寿司屋さんがあって
いろんな板前さんがいます。

『仕込みでどういうところを工夫していますか?』
なんて切り口で、行ったお寿司屋さんの大将と
会話してみると面白いかもしれません。

会話の後に出されるそのお寿司は
一味違ったものになるかも・・・



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