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“船は最初の工場”──気仙沼メカジキの味は海の上で決まっている

2026年2月10日(火)テーマ:新富の思い入れ

港町・気仙沼は、
メカジキの水揚げ日本一を誇る
全国有数の漁港だ。





多い年には、
全国の水揚げの
7割を占めることも。





数字だけ聞くと
スケールの大きな話だが、
港に立つと
その実感はもっと生々しい。





連日続く水揚げ、
クレーンで吊り上げられる
大きな魚体。
気仙沼の日常には、
いつもメカジキがいる。



ただし、
たくさん揚がるからといって
すべてが
同じ味になるわけではない。





魚は、獲られた瞬間から
「食材」になる。





そして、
その最初の扱い方が
後の味を大きく左右する。



第81大喜丸・前田社長の船は、
気仙沼で唯一、
ナノバブル洗浄を導入実行している。






ナノバブルとは、
目に見えないほど小さな泡。
コップの水に入れても泡は見えないが、
水の中にはしばらく留まり
汚れにまとわりついて
やさしく浮かせる性質がある。




船は、一番最初の工場。







前田社長はそう言って、
血抜きや下処理


さらに一手間の
ナノバブル洗浄を
当たり前ごととして
実行している。






魚を獲るところまでが仕事ではなく、
「どう食べられるか」までが仕事。
ナノバブル洗浄は、
そんな考え方から生まれた
工夫のひとつだ。





ナノバブルは、
魚の表面の血や汚れを
強くこすらずに落としてくれる。





味を足すわけではない。
むしろ、
余計なものを引いていく技術だ。






足し算より、引き算。
うまさとは、何かを盛ることではなく、
削らなくていいものを
削らないことなのかもしれない。




気仙沼産メカジキは、
刺身もうまい。
そして、
しゃぶしゃぶにすると
さらに輪郭が際立つ。





火をくぐらせた瞬間、
ふわっと立ち上がる香り。
噛めば、ほどけるような身。
臭みが少なく
余韻がきれいに残る。




第81大喜丸の抜群のメカジキ
そのメカジキでのしゃぶしゃぶ
地元ではこのしゃぶしゃぶを通称
【メカしゃぶ】と呼ぶ。





海の上での仕事
船の上でのひと手間。






見えない泡が
見える違いをつくっている。





メカジキの旨さは、
港の喧騒の裏側で、静かに仕込まれている。