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気仙沼産メカジキのしゃぶしゃぶとは?刺身や照り焼きと違う“本当の美味しさ”
2026年2月5日(木)テーマ:ブログ
気仙沼の冬と言ったら
メカしゃぶ一択ですよねー!と
何が何でも『ですね(汗)』を
獲得しようとしている
寿司屋の大将です。
今日は、違った角度から
新しい手法?を用いて
ストーリー仕立てで
メカしゃぶのお話を
しようと思います。

_________
メカジキには、
ちょっとした悩みがあるらしい。
「俺さ……いつも
刺身か照り焼きなんだよね。
悪くはないけど、
たまには違う顔、見せたいじゃん?」
そんな声が聞こえてきた気がした。
たぶん気のせいだ。
でも、気仙沼で水揚げされる
メカジキの表情は、
どこか“もう一段、
輝ける場所を
探しているようにも見える。
刺身は、
素顔をさらす舞台。
照り焼きは、
甘辛いスポットライトを浴びる舞台。
どちらも立派な晴れ舞台だが、
しゃぶしゃぶは少し毛色が違う。
ここは、主役が一歩引き、
だしという名の名脇役に
身を預ける場所だ。
湯にくぐらせた瞬間、
身はふわりと色を変え、
口に運べば、舌の上でほどける。
硬さは影をひそめ、
やわらかさが前に出る。
まるで、強面の人が赤ちゃんを
抱いた瞬間に優しい顔になる
あの感じに近い。
香りもいさぎよいほど控えめだ。
自己主張の強い香りで
殴りかかってこない。
だしのぬくもりをまといながら、
「あ、ここにいますよ」と
小さく手を挙げる程度の存在感。
だが、その控えめさが、
逆に印象を深くする。
声の大きい人より
静かに一言だけ
核心を突く人のほうが、
なぜか心に残るように。
初めて
メカジキのしゃぶしゃぶを食べた人は、
だいたい一瞬フリーズする。
『え、魚って、こんなに優しかったっけ?』

その顔は、普段は強面の上司が、
休日に犬を散歩させているところを
目撃したときの部下の表情に似ている。
ギャップは、人の心をつかむ。
魚の心も、たぶんつかむ。
大海原で育ったメカジキは、
荒波をくぐり抜けてきた歴戦の選手だ。
でも、しゃぶしゃぶという舞台に立つとき、
その強さは前に出ない。
むしろ、
『今日は、ちょっと
優しい自分でいこうかな』と
肩の力を抜いた顔を見せてくれる。
派手なドヤ顔はしない。
だけど、食べ終えたあと、
静かに記憶に居座る。
そんな“余韻系の男子”
メカジキの新しい一面は、
湯気の向こう側でひっそり微笑んでいる。

