鈴木真和(大将)
宮城県気仙沼で、新富寿しを営んでいます。
海と山に囲まれたこの土地の季節を感じながら
日々の食事の中にある寿司のかたちを
考え続けています。
気づけば、素材や時間、そして食べる人の感覚に
静かに寄り添うような仕事に惹かれてきました。
目立つことよりも、食事の時間が自然に
心へ残ることを大切にしています。
寿司は、
長く受け継がれてきた料理でありながら
暮らしとともに変わり続ける食べ物でもあります。
昔からの仕事を大切にしながら
「こんな楽しみ方もあるのか」と
感じてもらえるような
小さな更新や遊び心をそっと重ねています。
新富寿しで大切にしているいなり寿司も
その延長にあります。
米という「禾」が土地と人を結び、
日常の中に静かな余白を生む料理。
その一つひとつが、食事の記憶として
穏やかに残っていくことを
願いながら仕立てています。
料理と人、
土地と時間が静かに重なり合う――――
そんな「禾のあわい」を
感じてもらえる場所でありたいと思っています。
特別な日のためだけではなく、
日々の暮らしの中に自然とある寿司屋として。
禾のある風景の中で、
ふと寿司が食べたくなったときに
思い出していただけたら嬉しく思います。